いるかもしれない誰かのために、私が声をあげる
まずはこれまでのキャリアから聞かせてください。
渡邉:高校を卒業後、宮崎市で接客業に就いたのがキャリアの始まりです。宮崎市から約50㎞離れた地元の日南市を離れ、宮崎市内で一人暮らしをしながら働いていました。ところがなかなか接客業務に慣れず、一度日南市に戻って介護士として働き始めました。
職場の人間関係も良く働きがいのある環境でしたが、夜勤がある不規則な勤務や、人を相手とする仕事なので休みが取りづらいといった点が悩みでした。それから職業病でもあるのですが、腰を痛めてしまって。今は若いので体力もあり頑張っていけますが、「これを50代や60代になったときに続けられるかな」と考えたとき、キャリアに不安がありました。そこで若いうちに新しい業界に挑戦してみようと、コールセンターへ転職し短期間働きました。
コールセンターで働いた後にクラフへ転職されますが、経緯を教えてください。
渡邉:より自分のスキルやキャリアにつながる転職先を探していたときに、クラフの求人に出会いました。IT系のセキュリティ業界というまったく未知の分野でしたが、未経験でも採用を実施していた点や、ホームページのブログを見て雰囲気の良さに引かれました。教育制度もしっかりしていたので、ここならスキルやキャリアを積み重ねていけると考え、2020年8月に入社しました。今までの仕事のなかでは、一番自分に合っていると感じています。
では、現在の仕事で苦労した点はありますか?
渡邉:脆弱性診断では基本的にマニュアルが用意されており、きちんと研修や教育での学びが業務に直結するように仕組化されています。しかし、どうしてもイレギュラーな案件に直面する場面があり、どう判断すべきか初めは戸惑いを覚えました。
ただ、自分で考えた末に「分からない場合は聞けばいい」と気付いてから、戸惑いが解消され、むしろ業務の効率や学びのスピードがアップしていきました。
渡邉さんの積極性が評価されているとお聞きしましたが、なぜ主体的に行動されているのですか?
渡邉:自分が分からない、困っているということは他の人も困っているのではないか。それならば、自分が声をあげることで、困っている人たちが救われるかもしれません。「いるかもしれない誰かのために、私が声をあげよう」という考えが、主体的に行動する根っこの部分の理由です。
それから、クラフでは自力でなんとか解決しようと誠実に懸命に頑張る方がとても多く、すぐに自分から聞ける方が比較的少ないかもしれません。理由はさまざまですが、私はこれまでの経験から、聞いた方が早いと感じています。その姿を、周囲から積極的・主体的と評価してもらっているのかもしれません。
困っている人たちが救われるかもという意識は、クラフのクレドにある『ヒトの助けになろう』を体現していますね。実際にどのような声をあげたか、具体例を教えてください。
渡邉:例えば、実際に業務をしていると、診断の検査手順や期待値が分かりにくいと感じる場面がありました。そういうときは標準化エンジニアの方たちに向けて、「このケースのこの部分を、こう改修していただけないか」といったように意見を発信しています。
標準化エンジニアは、クラフのバリューである「IT未経験者をIT人材へ」を達成すべく、本来は高い技術力や経験値が必須とされる脆弱性診断業務を、可能な限りIT未経験者でも診断業務ができるよう細分化・手順化していく専門のプロフェッショナルたちです。
知識・経験のある標準化エンジニア側からすれば当たり前と思っていることでも、未経験者が多い診断側からすると理解しにくい場合もあります。そこをすり合わせ、両者を近づける。そうすれば、みんなが躓くような場面を取り除けると思っています。躓きが減ることで1人1人の成長を加速させることができます。これが大きな力となり、結果としてお客様への診断量・数や質を増やすことにも繋がるはずです。
では、普段仕事で心掛けていることはありますか?
渡邉:任せてもらえることは全力で頑張りたいと思っています。「自分には合っていないな」と感じる業務であっても、まずは受け入れてやってみる。やってみて難しいなら、そのときはそのときで考えたり、改善したりすれば良い。そこが仕事で心掛けている部分です。
最後に、これから頑張りたいことを教えてください。
渡邉:今より先のキャリアパスとしてはリーダーやディレクターというポジションがありますが、まずはエンジニアとしてのスキルや専門性を高めていきたいです。これから新たにエンジニアとして働く人へ、どう案件をこなしていくのか、コツや取り組み方を伝えていきたい。それが将来的には、会社への貢献につながると思っています。
「いるかもしれない誰かのために、私が声をあげよう」。これはクラフのクレド「ヒトの助けになろう」がまさに体現されています。
「自分のためだけではなく、誰かのために声をあげる」といった利他の精神から、もしもチャレンジやアクションを躊躇する人がいたら一歩を踏み出す勇気を。そんな学びが渡邉さんのインタビューには詰まっていました。
※ 取材時点(2024年06月18日)の情報で作成しています
入社して4年目を迎える渡邉さん。現在は脆弱性診断チームのリードエンジニアとして業務に励んでいます。これまでに、銀行のネットバンクや投資信託システム、生命保険、証券といった金融業界に関わるシステムや、財務会計関連の基幹システムなどに対して、100件以上の診断・検査に携わってきました。
周囲から主体的な行動を評価されている渡邉さんですが、その意識の根底にはクラフのクレドを体現するような理由が隠れていました。これまでのキャリアや仕事への取り組みについて話を伺いました。